住居物件を購入する際に、「一戸建て」を購入するべきか「分譲マンション」を購入するべきかどちらの方が良いのか悩まれる方も多いかと思います。
ほとんどの方が人生で1度きりの大きな買い物ですので失敗は許されません。
出来る限りの失敗のリスクを減らす為に、しっかりと内容を検討する必要があります。
今回は「一戸建て」VS「分譲マンション」の比較をしていきます。
この記事を読むと
一戸建てと分譲マンションの購入時の費用の違い
「一戸建て」と「分譲マンション」同じ金額であればどちらがお得になるのでしょうか?
まずは、両者の金額について説明します。
項目 | 一戸建て(注文住宅) | 一戸建て(建売住宅) | 分譲マンション |
印紙税 | 2万円 | 2万円 | 2万円 |
登記費用・登録免許税 | 約30万円 | 約30万円 | 約30万円 |
司法書士依頼費用 | 約10万円 | 約10万円 | 約10万円 |
住宅ローン関連費用 | 約100万円 | 約100万円 | 約100万円 |
管理費・修繕積立金等 | 約30万円 | 不要 | 不要 |
申込証拠金 | 約10万円 | 約10万円 | 約10万円 |
仲介手数料 | 不要 | 171万6千円 ※仲介の場合 | 不要 |
保険料 | 約20万円 | 約20万円 | 約20万円 |
合計金額 | 約202万円 | 約333.6万円 | 約172万円 |
一戸建てと分譲マンションの購入費用に大きな違いはありません。
但し、注意しなければいけない点として建売の一戸建ては仲介する不動産会社が入っている場合には仲介手数料が発生します。
注文住宅や分譲マンションは売り主である場合には仲介手数料はかかりません。
また、分譲マンションのみ契約時に「管理費」「修繕積立金」「管理組合準備金」が発生します。
一戸建て・分譲マンションのランニングコストの違い
一戸建てのランニングコスト
一戸建てで発生するランニングコストは以下の通りです。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は、毎年1月1日時点での土地や家屋を所有している人に課税される税金です。
また、都市計画税は「市街化区域内」に土地と建物を所有している人のみが対象となる税金です。
金額は、建物の規模や所有している地域によって異なります。
「固定資産税評価額」によって算出され、おおよそ年間で8万円~15万円くらいになります。
将来的に必要な修繕の費用
一戸建てを購入して数十年経過した際には、リフォーム工事が必要となります。
最初は15年後が一般的でその後は10年〜15年毎に費用が必要と想定すると良いかと思います。
リフォーム内容により費用は異なりますが、室内のリフォーム工事で200万円、外壁塗装等の大きな工事も含めば500万円程度必要になる場合が多いです。
分譲マンションのランニングコスト
分譲マンションで発生するランニングコストは以下の通りです。
①管理費
分譲マンションは、「区分所有建物」となり、 「共有部分」と「専有部分」に分けられます。
「共有部分」とは、マンションの所有者が利用するスペースで、エントランスやエレベーター、などのマンションの所有者全員が使うスペースになります。
一方「専有部分」とは、住居スペースを指します。
管理費はこの「共有部分」の維持管理をする為にマンションの居住者全員から回収する費用の事を指します。
主に使われる費用は以下の通りになります。
管理費として使用される項目例
②修繕積立金
「修繕積立金」は、マンションの修繕に必要になるための費用を区分所有者全員で積み立てていくものです。
建物の修繕は、快適に過ごす為に必要不可欠なものです。
通常、マンションの修繕は管理組合で定める「長期修繕計画」というプランに基づいて計画的に行われます。
修繕計画を長期的に立てておくことで、将来発生する費用を具体的に把握して資金を積み立てることができるというメリットがあります。
なお、マンションの修繕工事には主に以下のようなものがあります。
修繕積立金で修繕される主な項目
③:駐車場・駐輪場・バイク置き場等の使用料
分譲マンションは敷地内の駐車場を利用する場合には、「駐車場使用料」を支払う必要があります。
あくまで「専有スペース」(部屋)を購入したのであって、駐車場スペースは購入する事が出来ません。
また、バイクや自転車を停める「駐輪場」に関しても同様で駐輪場の使用料の支払いが必要です。
マンションの住人が支払いした駐車場料金などは、管理費と同じく駐車場の管理や整備に利用されます。
④:解体積立金
一般的な分譲マンションでは敷地権がマンションの所有者になっている場合が多いですが、稀にマンションの敷地権が「借地」になっている場合があります。
その場合、借地権が終了したときに建物を解体して、貸主(地主)に返還しなければなりません。
マンションの解体には多額の費用が必要となる為、マンションの所有者で毎月積み立てていくものが「解体積立金」になります。
当然、数十年先の話になりますので解体工事の費用相場が高くなっている可能性もあります。
解体時の費用が足りなければ不足分をマンション居住者にて負担しなければなりません。
⑤その他
①~④は分譲マンション特有のランニングコストですが、その他にも費用がかかります。
その他にかかる費用
その他の費用は、一戸建て所有でも必要となる費用になりますが、気を付けなければならない点は20階建て以上の高層マンション(いわゆるタワマン)の20階以上になると階数が上がるごとに金額があがるという事です。
20階以上の高層階に居住を考えている場合には注意が必要です。
一戸建てと分譲マンションのメリット・デメリット
次に一戸建てと分譲マンションのメリット・デメリットを確認しましょう。
一戸建てのメリットデメリット
メリット
・生活スペースが広くとる事が出来る。
・購入後に駐車場代が不要。
・駐車場スペースを数台確保する事が可能。
・ペットも自由に飼育可能。
・上下階近隣の騒音問題がなくなる。
・土地が資産として残るため売却の際に有利。
・外壁等、自由にリフォーム可能。
デメリット
・分譲マンションに比べてセキュリティーが弱い。
・大型修繕の積み立てを計画的に行わなければいけない。家や設備が古くなった場合にリフォームする金額が必要になる。
・近所の付き合いや町内の行事等にも参加が必要になる場合がある。
・不動産(土地)などの価値が変動する可能性がある。
分譲マンションのメリット・デメリット
メリット
・戸建てと比較してセキュリティが高い。
・駅近くの物件など利便性の良い立地に建っている場合が多い。
・共有部分の清掃をしなくても大丈夫。
・新しい物件の場合はゴミ出し箇所がありいつでも利用可能な場合が多い。
・高層マンションであれば景色や夜景がきれいに見れる。
・建物の修繕などを自分で計画する必要がない。
デメリット
・上下階・左右の隣接する部屋の騒音が気になる場合がある。
・駐車場利用料や管理費・修繕積立金などの毎月のコストが高い。
・年数が経つと修繕積立金の費用が高くなる。
・区分所有建物なので大規模修繕など自分で決めることができない。
・建替えが出来ない。
・年数が古くなると売却値が戸建てと比べてかなり落ちる。
一戸建て・分譲マンションに向いている人、向いていない人
次に一戸建て・分譲マンションに向き不向きの人の特徴を説明します。
自分がどちらに当てはまるのかを確認して購入の際の参考にしてみて下さい。
一戸建てに向いている人の特徴
一戸建てに向いている人はてに向く人の特徴は以下のとおりです。
資産価値を重視したい人
一戸建ての場合には、将来的に建物の価値がなくなったとしても土地の価値が残ります。
一方で、分譲マンションの場合は建物の資産価値のみになってしまいます。
新築購入後、20年位であれば資産価値はそれほど変わりませんが50年経過したのちに資産価値として残りやすいのは圧倒的に一戸建てになります。
短い期間で10年~20年で売却する予定があるのであればどちらでも問題はありませんが長期保有を考えるのであれば資産価値の面で言えば一戸建てがおすすめです。
自由にリフォームやリノベーションをしたい方
一戸建ての良い部分は好きなタイミングでリフォームが可能という事です。
外壁が日焼けなどで見栄えが悪くなった場合でも、自分の判断でリフォームをする事が可能です。
ですが、分譲マンションの大規模修繕は、区分所有者の5分の4の同意が必要になります。
専有スペースのリフォームはいつでも可能ですが、共有部分のリフォームは自分の意志だけでは行うことが出来ないのです。
分譲マンションに向いている人の特徴
分譲マンションに向く人の特徴は以下のとおりです。
利便性を重視したい人
分譲マンションは立地条件が良い場所に建っている事が多く利便性に優れています。
最寄り駅へのアクセスも良く交通のアクセスもよいでしょう。
また、商業施設なども近隣に多い事から買物や食事をする場所へのアクセスも良いと言えます。
特に、車を所有されていない方は分譲マンションに向いていると言えるでしょう。
セキュリティーを重視したい人
近年の分譲マンションのセキュリティーは非常に高くなっています。
当然、入口はオートロックになっており外部からの侵入も防げますし、管理人在中のマンションであれば訪問者のチェックも行なわれます。
また、マンション内の住人の出入りも多くある為、不審者からすれば進入も容易ではありません。
セキュリティーを重視される方は分譲マンションが向いていると言えるでしょう。
戸建てに不向きな人の特徴
戸建てに不向きな人の特徴は以下のとおりです。
セキュリティ面を気にする方
分譲マンションのメリットはセキュリティー面に強い事ですが、一戸建ては分譲マンションに比べるとどうしてもセキュリティーが劣ってしまいます。
最近ではホームセキュリティーシステムなどのサービスもありますが、オートロックや防犯カメラ・管理人のいる分譲マンションの方がセキュリティーが優れていると言えるでしょう。
何より、沢山の居住者が出入りしますので防犯の抑制になりそうです。
駅近物件や繁華街近くの物件に住みたい方
一戸建ては、土地が用意出来ないと建築する事が出来ません。
駅近などの利便性の高い土地は、人気があり住宅メーカーもなかなか用意する事が出来ません。
ディベロッパーなどの大手開発業者が数年の時間をかけて開発を手掛けます。
また、利便性の高い土地は高額になる為、建物を上に積める分譲マンションなどが建ちやすく、一戸建てを建てる土地が中々出てこない利便性の高い駅近には一戸建てが少ないと言えます。
分譲マンションに不向きな人の特徴
マンションに不向きな人の特徴は以下のとおりです。
部屋を広く使いたい方
分譲マンションは一戸建てと違い決められた間取で作られます。
もちろん、超高級マンションなどは間取も広く使いやすく設計されておりますが、あくまで規格の範囲内です。
一戸建て(特に注文住宅)の場合は自分たちの好みに合わせて部屋の広さを調整する事が可能です。
また、郊外であれば土地の価格も安くなります。
広い敷地でのびのびと住みたい方には分譲マンションは不向きと言えます。
他人の生活音が気になる方
分譲マンションは造りがしっかりしており防音性にも優れていますが、性質上どうしても上下左右に住居が面してしまいます。
子供の足音や大きな音は分譲マンションと言えど防ぐ事は難しいです。
それに比べ一戸建てであれば、生活音という問題であればほぼクリアできます。
些細な音でも気になる方は一戸建てがおすすめです。
好立地であればマンションがお得
分譲マンションは好立地であれば値段が下がりづらく、10年後に売却する際に購入時よりも高く売れる場合があります。
もちろん、物価の変化や土地、建物の価格の変化など社会情勢は影響されますが下記条件に当てはまるものは高額で売却できる可能性が高くなります。
高額で売れるマンションのポイント
・立地が良い場所であること
・間取りの需要が高いこと
・眺望がよい物件であること
・タワーマンションの高層階などのプレミアがついていること
・障害物がなく、日当たりが良いこと
マンションでは立地が最も重要とされています。
購入する際は、「立地」「物件」(設備や間取など)「金額」で選びますが、室内設備はリフォームやリノベーションをすれば何とかなります。
また、購入金額もお金を出しさえすれば何とかなります。
ですが、立地は変える事が出来ません。
特に、人口の多いエリアでかつ、主要駅からかなり近い物件などは、プレミアムの値段が付く事が多く将来売却も視野に入れているのであれば「立地」はかなり重要なポイントです。
また、上層階になれば下層の階よりも高く売れる可能性が高くなります。
要は、他人が欲しがるオンリーワンのような物件は値段が下がりづらいという事です。
中途半端なエリアの物件は値段の下落が激しくなるため、分譲マンションを購入するのであればとにかく好立地を狙うことです。
好立地である条件
・人気エリアであるかどうか
・人口が多い都市であること
・人気の駅が近いこと(中途半端な近さはあまり意味がありません)
・治安が良いエリアであること
最後に
一戸建てVS分譲マンションはいかがでしたでしょうか?
一戸建ての良いところは自分のやりたい時に他人を気にせずリフォームも可能です。
分譲マンションの良いところは立地が良いというところです。
また、分譲マンションは購入後も駐車場や管理費等を支払っていかなければいけない点にも注意しましょう。
好みはそれぞれですが、購入前には一度「無料相談窓口」をご利用する事をおすすめします。
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