部屋探しって、いつから始めればいいのか?? 不動産会社に行くタイミングはいつなのか?? 疑問に思われている方も多いはずです。
実は、部屋探し始めるタイミングは、良いお部屋を探す上でとても重要になります。
また、優良物件や新築物件なども見つける時期に秘密があります。
時間が短すぎれば、慎重に選ぶ事は出来ませんし、逆に時間がありすぎると気に入った物件があったとしても、入居時期が先過ぎると部屋を借りる事が出来ません。
また、時期や希望条件により探し始めるタイミングが若干異なります。
この記事は、不動産会社に20年以上勤務している現役不動産会社社員が、部屋探しのベストなタイミングをお伝えします。
タイミングを間違わずに優良物件を見つけましょう。
部屋探しはいつから始めるのがベスト??
一般的には、部屋探しは入居したい日の2ヶ月前が理想です。
このタイミングより早すぎても、遅すぎてもよくありません。
では、なぜ2ヶ月前がいいのかを詳しく説明致します。
部屋探しが早すぎると良くない理由
部屋探しが2ヶ月以上前になると良くない理由はいくつかありますので詳しく見ていきましょう。
①退去情報が出てきていない
賃貸物件の退去情報の大半は、1ヶ月前に出てきます。
これは、「賃貸借契約」の解約連絡が1ヶ月前になるからです。
前倒しで探してしまうと、入居希望日前に退去する物件の情報が出ずに物件の選択肢が限られてしまいます。
ですので、2ヶ月前位に探すのが丁度良いタイミングになるのです。
②入居日を先延ばしに出来ない為
賃貸物件は入居日を先延ばしにすることは出来ません。
例えば、入居希望日が10月1日で、7月1日に不動産会社に行き気に入った部屋を見つけて申込するとします。
この場合、申込日から入居日までの期間が約3ヶ月間空いてしまっていることになります。
賃貸物件の家賃発生日は、一般的に申込日から1ヶ月後の家賃発生となる為、入居日が先のお客様は断られてしまうのです。
もちろん、入居しないで「空家賃」(入居していないのに家賃を払う事)を支払えば契約出来ますが、住んでもいないのに家賃を支払わなくてはなりません。
ましてや、現在も賃貸にお住まいでしたら、2重に家賃を支払わなければならなくなり、金銭的にも負担が大きくなってしまいます。
③不動産屋に相手にされない
入居希望日があまりにも先過ぎると、不動産会社は相手にしてくれません。
相手にされないと言っても、もちろん話は聞いてくれますが、真剣に部屋を探してくれないという事です。
理由は2つあります。
1つ目は、物件を紹介しても契約にならないからです。
どういう事かというと、不動産会社は契約になって初めて「仲介手数料」の報酬をもらえます。
先述した通り、賃貸物件は申込を頂いてから1ヶ月後には家賃発生になり、入居日が先過ぎるお客様の申込を受け付けてくれません。
結果、物件を紹介しても入居日が先過ぎると入居希望日から部屋を借りることができず紹介した意味がなくなってしまうからです。
「空家賃」を支払うのであれば別ですが、入居日が先過ぎると不動産会社は売り上げにならない為、相手にされなくなってしまうのです。
2つ目は、賃貸物件が流動的だという事です。
賃貸物件は常に入退去を繰り返しており、その時のタイミングで紹介出来る物件が変わってしまいます。
不動産会社の担当者はお客様に契約してもらいたいので、お客様の条件を聞きその時ある一番良い物件を勧めます。
折角物件を気に入ってもらえたとしても、入居日が先過ぎると大家さんや管理会社は家賃発生が早い方を希望するので入居を断られてしまいます。
また、入居を受付してくれるタイミングになったとしてもその時には物件が決まってしまっている可能性が非常に高いからです。
賃貸物件は、1か月後、2ヶ月後に、空いている物件はがらりと変わってしまうのです。
やはり、「空家賃」を支払うのであれば別ですが、入居日が先過ぎると紹介する意味がなくなってしまうので不動産会社は間違いなく嫌がります。
部屋探しが遅すぎると良くない理由
部屋探しは、早すぎるのはNGと言いましたが遅すぎるのも良くありません。
新しい部屋に引越しするまでには、部屋探し以外にもやらなければいけない事がたくさんあります。
その為、ある程度余裕をもって部屋を決める必要があります。
①部屋探しには時間がかかる
部屋探しには、時間がかかります。
まずは、自分の借りたい条件などを整理してから不動産会社に訪問しなければいけません。
また、実際に物件を見て気に入った部屋が見つけられなければいくつかの不動産会社を回らなければいけません。
当然、仕事の休みに行くことになると思いますので、2ヶ月程の期間の余裕を持った方が良いのです。
②部屋を決めたらすぐに入居できるわけではない
自分が気に入った部屋を見つけたとしても、次の日から入居する事は出来ません。
部屋探しをはじめてから契約まで下記のような流れで進みますが、申込後には、「入居審査」や「契約の手続き」があります。
「入居審査」には数日、「契約書作成」には約1週間、忙しい時期などは2週間以上かかる場合があります。
その為、住みたい日の1ヶ月前にはお部屋が決まっているのがオススメです。
1ヶ月前からの部屋探しでは、余裕がなくなってしまいます。
図1
③その他、引越しの準備など
お部屋が決まっても、引越し日までにはやらなければいけない事がたくさんあります。
現住居の退去連絡や、引越し会社の手配、転居届けや各種サービスの停止・開始などやることは山積みです。
現住居が賃貸の場合は、退去連絡は1ヶ月前になっている事が多い為、部屋が決まったら現住居の管理会社に必ず連絡をしましょう。
部屋を決めるタイミング
部屋を探し始めるのは2ヶ月前と言いましたが、部屋が決まっているのは「引越し日の1ヶ月前まで」が理想です。
何故、1ヶ月前までに部屋を決めておくのが良いかというと図1で説明させて頂いた通り、賃貸借契約を結ぶには時間がかかるからです。
また、現在賃貸物件を借りらている方に限りますが「現在入居中の物件の解約の連絡」を1ヶ月前にしないといけないからです。
新しい物件が決まっていなければ「解約の連絡」が出来ずに、新居と2重家賃が発生してしまうので、部屋は入居日の1ヶ月前までに決めておきましょう。
探し始める時期の例外
部屋探しを始めるタイミングは基本2ヶ月前ですが、探す物件によっては例外があります。
どのような、場合が例外にあたるのでしょうか?
新築物件(完成前物件)限定で部屋を探す場合
新築物件で、かつ、完成前物件限定で部屋を探す場合には2ヶ月前からのお部屋探しでは遅い場合があります。
通常、木造や軽量鉄骨のアパートは早いものであれば物件階数+1か月位で完成します。
※例:2階建ての建物の場合は2+1で3か月
ですので、建築前の物件は少なくとも3ヶ月前には建つ事が確定しています。
また、マンションなどは階数+3ヶ月~5ヶ月で完成すると言われています。
※例:10階建てのマンションの場合は10+3or10+5で13ヶ月~15ヶ月
大きなマンションの場合は約1年前から建つことが確定しています。
家賃や募集条件が確定してくるのは、2・3ヶ月前になるのが一般的ですが、早めに探していれば人より早く完成前物件の情報を手に入れられる可能性が高くなります。
特に、「最上階・角部屋」を希望など、建物に数戸しかない部屋を希望するのであれば尚に早めの部屋探しが必要になります。
新築(完成前物件)を希望の場合は、不動産会社にはっきりと「完成前(新築)物件」を希望する旨を伝えましょう。
その場合は、不動産会社の対応も変わります。情報が出てくれば、いち早く連絡をくれる不動産会社がいくつもあると思います。
学生向けアパートなど特殊な物件の場合
大学や専門学校の近くには、学生をターゲットとした物件が建っています。
学生が動く時期は、新年度の始まりである4月の少し前の3月入居の場合がほとんどです。
その為、「学生向け」の物件であれば12月や1月での申込で3月末入居といった前倒しの申込をもらえます。
逆に動きが遅くなればなるほど、物件の数が少なくなってしまい、選ぶことが難しくなってしまいます。
推薦入学など、あらかじめ前もって引越し先がわかっている場合には2ヶ月以上前から部屋探しをする事をおすすめします。
入居人数が多い場合は事前に家族内で相談しておく
探し始めるタイミングは基本2ヶ月前ですが、入居する人数によって少し探し始めるタイミングが異なります。
家族であっても、物件探しの重要ポイントはそれぞれ違います。
夫婦で住むのであれば、お互いの勤務先までの距離やお部屋の趣味、物件探しにおいて重要視するポイントも違ってきます。
また、子供がいる家庭ではそれに加え、学校までの距離や通学方法、転勤の方であれば通わせたい学校を決めたりとさらに準備が必要になります。
不動産会社に訪問する前に事前に、夫婦内、家族内で相談して、希望する条件をすり合わせしておいた方が良いでしょう。
急な引越しの場合の対応
急に引越しが決まった場合には、2ヶ月前に部屋探しなどと言っている場合ではありません。
まずは、早めに不動産会社に行ってみる事をおすすめします。
忙しくてなかなか不動産会社に訪問出来ない方は、チャットで探せる「イエプラ」というサービスを使ってみるのもおすすめです。
深夜0時まで対応してくれます。また、当日、紹介された物件をまとめてみる事も可能ですので大幅に時間の節約が出来ます。
その他、単身の方であれば「レオパレス21」も使い勝手は良いです。ネットですべて契約まで可能ですのでこちらも時間を大幅に節約できます。
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時期ごとに見る不動産会社の混み具合
賃貸不動産屋の繁忙期は1~3月と言われています。
また、9~10月も準繁忙期と言われ不動産業界では「秋商戦」などと呼びます。
1月~3月
・大学への進学
・新社会人としてのスタート
・期が変わり会社転勤による新天地での部屋探しなどの理由により部屋を必要とする方が増える為
9月~10月
・会社転勤による新天地での部屋探しが多い時期です。
これは、決算が4月~3月会社の会社が多く8月で半期を終え新たに下期での人事異動などがある為です。
単身物件がより多く動きますが、転勤で家族での異動などもあり会社で借上社宅として契約する事も多く高額な物件が動く時期でもあります。
6月~8月・11月~12月は賃貸不動産屋の閑散期
地域や不動産会社によって異なるとは思いますが11月~12月が1番の閑散期になると思います。
特に12月は申込が入ると「新年前に転居しなければいけないマイナスな理由がある」などと思われる大家さんも多いです。
月ごとの不動産業界の特徴をまとめてみました。物件の多さや家賃の高さ、不動産屋の対応など簡単にまとめています。
月 | 忙しさ | 特徴 |
1月 | ◎ | 忙しい 交渉難しい 物件は比較的ある |
2月 | ◎ | 忙しい交渉難しい 1年で1番忙しい 部屋はすぐになくなる |
3月 | ◎ | 忙しい交渉難しい 物件数少ない 部屋はすぐになくなる |
4月 | 〇 | ちょっと忙しい 交渉可能 物件数多い |
5月 | △ | 交渉可能 物件数多い |
6月 | △ | 交渉可能 物件数多い |
7月 | △ | 交渉可能 物件数多い |
8月 | △ | 交渉可能 物件数多い |
9月 | 〇 | ちょっと忙しい 交渉難しい |
10月 | 〇 | ちょっと忙しい 交渉難しい |
11月 | ✖ | 暇 交渉可能 |
12月 | ✖ | 暇 交渉可能 |
◎=かなり忙しい 〇=忙しい △=普通 ✖=暇
POINTとなる月
上記一覧はかなりざっくりとしていますので賃貸物件を借りる際のポイントとなる月をもう少し詳しく解説します。
1月
1月は繁忙期ですがまだ比較的物件が選べます。
11月12月が暇な時期の為、まだまだ物件が余っている為です。
すでに就職先の場所が決まっている。
大学が決まっているなど転居場所がわかっているのであれば1月に物件を決めてしまうのが得策です。
2月
2月は繁忙期真っ只中、特に3週と最終週は1年で最も来店数があるとも言われています。
この時期は、物件の案内中に決まってしまうなんてざらです。
良い物件になればなるほど競争率は高くなり悩んで持ち帰ればまず確実に物件はなくなります。
希望物件が見つかったら即申込の手続きを取る事が重要です。
3月
3月も繁忙期継続中です。3月前半は2月とかわりなく来店数もめちゃくちゃ多いです。
この時期は物件がかなり少なくなっていてあまり良い物件が残っていません。
何故かというと1月、2月にすでに良い物件が申込されてしまっているからです。
2月と同じように人気物件の競争率は高いので悩んでいてはすぐに別の方に取られてしまいます。
また、よくお客様から「3月は退去物件が多いのでは?」と聞かれる事があります。
確かに退去する方は多いのですが、退去した後は原状回復といいお部屋のクリーニングや修繕を行います。
そのため、退去=入居できる日にはならないのです。
一般的には原状回復には2週間程度かかりますがこの時期は退去が多い為、3週間以上原状回復にかかる場合もあります。
3月退去した物件には4月にならないと入居できないのです。
4月
4月は3月に物件が決まってしまい物件数が少ないと思われがちですが実はちょっと違います。
3月の退去物件は4月にならないと入居できないと書いたように3月退去の部屋が実際に住めるようになります。
4月から新生活をスタートする方は3月中に引越しをしなければならない為、3月退去物件を借りる事が出来ません。ですので4月は物件が多いのです。
9月
9月も2月と少し似たような動きになります。
2月ほど忙しくはないですがやはり優良物件<借手という構造になりますので返事を後回しにすれば物件がなくなっている可能性は非常に高くなります。
タイプ別 部屋探し時期
じっくりお部屋を探したい方
お部屋探しは慎重にじっくりと選びたいという方は6月~8月がおすすめです。
物件の動きが少ないので急に物件がなくなってしまったという事も少ないです。
もちろん良い物件は決まってしまうのでこれ!!という物件が見つかったら即申込を・・・。
費用を抑えて入居したい方
費用を抑えて入居するなら4月~6月がおすすめです。
3月までに決まらなかった物件の大家さんは、また1年間空いてしまうのではないかと弱気になっているケースがあります。賃料交渉や初期費用交渉も出来やすい時期です。
まとめ
特別な事情がなければ、部屋探しは2ヶ月前からはじめるのが良いでしょう。
また、建築予定物件で探すのであればもっと早く動く事をおすすめします。
入居人数が増えれば、準備期間も必要になりますので前もって条件などのすり合わせが必要です。
また、入居する時期によって不動産会社の忙しさも違います。
忙しい時期に部屋探しをする場合には、引越しする事が決まった時点で相談してみるのもいいと思います。