最近の賃貸物件はインターネット無料物件が多く、人気があります。
一方、インターネットの速度が遅いなどの書き込みもあります。
実際に賃貸物件で使われているインターネット無料物件はどうなのか解説します。
インターネット無料のメリット
インターネット無料の物件のメリットは主に次の3つです。以下の項目で解説します。
①ネット料金がかからない
インターネットの月額料金がかからない上に回線工事の手続きが必要ありません。
また、初回登録料が数千円程度かかるものもあります。
詳しくは不動産会社に確認しましょう。
②入居してすぐ使える
ほとんどの物件が入居日から利用可能ですが物件によってはプロバイダーに連絡をしてから
使用までの間数日かかるものもあります。
また、ルーターを使用するタイプのお部屋もあります。
お部屋に用意されていないものもあるので事前に不動産会社に確認が必要です。
③退去時に違約金がかからない
契約は大家さんがしている為、短期で解約しても違約金がかかることはありません。
契約期間を気にせずいつ退去しても良いのも魅力の一つです。
インターネット無料のデメリット
インターネット無料物件のデメリットは、主に次の3つです。以下の項目で詳しく解説します。
①回線速度が遅い可能性がある
集合住宅のインターネット無料物件のほとんどは、建物から1つの回線を各部屋に分配して使用しています。その為、土日や夜間など多くの人がインターネットを利用する時間帯に、回線が混み合う可能性があります。
②回線・プロバイダが選べない
インターネット無料物件では、大家さんが直接契約している為、プロバイダーを選択する事が出来ません。
利用しているプランによっては速度や接続環境も悪い場合もあります。
気になる方は自分で個別契約することをおすすめします。
③家賃に上乗せされている場合がある
入居者のインターネットの料金は大家さんが支払っています。
中には、家賃や共益費に上乗せされている場合があります。
近隣物件と比較して個別契約の方が得ではないかの確認も必要です。
ネット無料とWI-fi無料の違い
インターネット無料とは、大家さんがインターネットの回線を引き、月額利用料を負担することで、入居者が無料でインターネットを使用できることです。
インターネット無料だけの記載であれば単に壁にLANケーブルの差し込み口があるだけの場合があります。
有線で直接パソコンに繋げなければなりません。
WI-fiを利用するには、別途ルーターを購入する必要があります
Wi-fi利用無料の場合は壁埋め込み式のWi-fiかルーターがあらかじめ設置されており
無線でインターネットを利用できます。
インターネット無料という表記は、wi-fi無料も含めた総称で、インターネットが使用できる環境の事を言い、初めからWi-fiがついていない場合もあるという事です。
ネット無料とネット対応の違い
賃貸の情報サイトを検索する際に「インターネット無料」と「インターネット対応」の表記がありますがこの二つでは意味がことなります。
インターネット無料
毎月のインターネット料金が無料であり、基本は部屋にインターネットがすでに引かれているものを言います。プロバイダーによっては手続きが必要になる場合がありますが月額の利用料が無料の物件の事を指します。
インターネット対応
すでに、アパート・マンションの共有部までの引き込みは完了しているものを指します。
個別に部屋まで引き込みする工事費用も必要になり、お客様がプロバイダーと契約する必要があります。また、無料ではありませんので月々の使用料が発生します。
インターネット無料物件の速度
集合住宅のインターネット無料物件のほとんどは、インターネット回線をマンションプランで契約しています。
1つの回線を建物内のすべての部屋で共有するのがマンションプランの特徴です。
そのため、土日や夜間など多くの人がインターネットを利用する時間帯に、回線が混み合う傾向にあります。
集合住宅ので使用されるインターネットの種類
アパートのインターネット回線を各部屋に分配する方法は、光配線方式、LAN方式、VDSL方式の3種類があります。
速度 | 配線方法 | ||
---|---|---|---|
光配線方式 | ◎ | 最大1Gbps | 光ファイバー |
LAN方式 | △ | 最大100Mbps | LANケーブル |
VDSL方式 | △ | 最大100Mbps | 電話線 |
光回線方式は、光ファイバーなどで部屋まで直接光回線が引き込まれていて、高速な通信が可能な配線方式です。
※画像 NTT西日本フレッツ光全戸加入プランより出典
LAN方式とVDSL方式は、1つの光回線をケーブルや電話回線を利用して、各部屋まで分配して共同で使う配線方式です。
光回線を共同で使用するため、利用者が多い時間は通信速度や安定性が低下する可能性があります。
※画像 NTT西日本フレッツ光全戸加入プランより出典
光回線を共同で使用するため、利用者が多い時間は通信速度や安定性が低下する可能性があります。
ケーブルテレビの場合
ケーブルテレビのインターネット回線は、ケーブルテレビ局から、同軸ケーブルと光ファイバーを組み合わせて接続しています。
その為、データ受信は安定する反面、送受信可能なデータ量が少なくなるという弱点があります。
速度 | 種類 | ||
ケーブル | 〇 | 最大320Mbps | ケーブルテレビ |
※ケーブルテレビ富山 集合住宅にお住いの方工事のご案内 出典
分配方式の見分け方
分配方式は壁埋め込みのコンセントにて確認可能です。
光配線方式であれば赤枠の部分のように「光」の記載があります。
また、光配線方式の差し込み口がない場合は、LAN方式もしくはVDSL方式になります。
インターネットの回線速度「bps」
インターネットの回線速度を表す単位「bps」の説明をします。
bpsとは「bit per second(ビット・パー・セカンド)」の略で、「ビー・ピー・エス」と呼ばれます。 データを送る速度を表した単位で「1秒間にどれくらいの量のデータを送れるのか」を意味しています。
bpsは数値が大きければ大きいほど回線速度が速いということです。
「bps(ビーピーエス)」<「Kbps(キロビーピーエス)」<「Mbps(メガビーピーエス)」<Gbps「(ギガビーピーエス」の順で速度が速くなっていきます。
bpsの1000倍がKbps Kbpsの1000倍がMbps Mbpsの1000倍がGbpsになります。
回線速度の上りと下り
上り速度とは
「上り」速度とは、手元のデータをインターネット上にアップロードする速さのことです。 回線速度の上りが速ければ速いほど、アップロードにかかる時間が短くなります。
上り速度が影響するシーンの具体例はこちらです。
- メール送信
- SNSやブログの投稿
- 動画投稿(YouTubeなど)
具体例からわかる通り、上り速度は自分の端末からデータを送信するときに影響します。
上記のような用途でインターネットを使うことが多い人は、上り速度が重要になるでしょう。
下り速度とは
「下り」速度とは、インターネット上にあるデータをダウンロードする速さのことです。 ここでいうダウンロードは、データを受信することを意味しています。
下り速度が影響するシーンの例はこちらです。
- メール受信
- WebサイトやSNSの閲覧
- 動画視聴(YouTubeやNetflixなど)
- アプリや画像、動画のダウンロード
- オンラインゲームの読み込み速度
下り速度が速ければアプリなどのダウンロードにかかる時間が短く、高画質な動画も快適に視聴することができます。
一般的なユーザーがインターネットを快適に利用するためには、下り速度が重要になります。
ping値とは
インターネット回線では上り下りの速度だけでなく「ping値」も重要になります。 「ping(ピン)」とは「Packet INternet Groper」の略で、ネットワーク上で指定した相手と通信できるのかどうか疎通確認するコマンドのことです。 疎通確認と同時にデータを送信してから返ってくるまでの応答速度を確認でき、この速度を「ping値」といいます。 ping値の単位は「ms(ミリセカンド・ミリ秒)」です。
このping値が低いと速度が速く、高いと速度が遅くなります。 回線速度がいくら速くでもping値が高いと、快適にインターネットを利用することはできません。 ping値はリアルタイムな通信が必要な下記のようなシーンで大きな影響を与えます。
- 高画質な動画視聴
- オンラインゲーム
- 無料通話アプリ
「ping値」の数値が小さいほど反応(レスポンス)が良いので、快適にインターネットを楽しめます。
インターネット無料物件の向き・不向き
インターネット無料物件は、先程説明した通り、1つの回線を分配する為に混雑する時間帯は速度が落ちてしまいます。また、分配方法によっても速度の違いがあります。
インターネット無料に向いている方
・とにかく無料を重視したい方
・速度をあまり気にされない方
・動画などのコンテンツをあまり利用されない方
・ネットショッピングやサイトをよく見られる方
・Googleで簡単な調べものをする方
・混雑しない時間帯頻繁に利用される方
インターネット無料に不向きな方
・YouTubeで長編の動画等を見る方
・ネットフリックスなどの長編の映画を視聴される方・処理が複雑なネットゲームをする
・オンラインゲームをされる方
・リアルタイムで株式やFXなどの取引をされる方
・混雑する時間帯によく使用される方
用途別 必要速度
続いて用途ごとに必要なネット通信速度をチェックしましょう。自分が使用する用途によっては個別引き込みをする等の対策が必要になる可能性があります。
利用用途 | 速度 |
---|---|
メール受信、LINEメッセージ送受信 | 1Mbps |
YouTube動画視聴(720p)、ビデオ通話、ウェブページ閲覧、 | 3Mbps |
YouTube動画視聴(1080p)、スマホのオンラインゲーム | 5Mbps |
オンライン会議等 | 10Mbps |
4K動画の再生、PCオンラインゲーム | 25Mbps |
メールやLINEウェブの閲覧
上り 1.0Mbps 下り 1.0Mbps
よほど高画質の写真や動画の送受信でなければ、ADSLより新しい回線やスマートフォン回線ならストレスなく使えます。
ネット無料物件でもとくに問題なさそうです。
動画視聴
上り - Mbps 下り 3.0~5.0Mbps
動画視聴といっても、利用するサービスや画質によって必要な通信速度は大きく異なります。動画ストリーミングサービスを快適に楽しみたいなら、光回線など高速度回線の利用がおすすめです。また、近年はデータ容量の大きなWebサイトも多く、閲覧だけでもある程度の通信速度がないとスムーズに閲覧できない場合があります。
Zoomなどのオンライン会議
上り 10.0~15.0Mbps 下り 10.0~15.0Mbps
オンライン会議は双方向でやり取りするため、上りと下りの両方の速度が必要になります。在宅勤務でオンライン会議に参加する場合、同時に家族がインターネットを使うケースが想定されるなら、回線速度は上記の目安より余裕を持っておくほうがよいでしょう。
オンラインゲーム
上り 20.0Mbps~ Mbps 下り 25.0~100.0Mbps
オンラインゲームを快適に楽しむなら、ゲームの種類によりますが最低でも25.0Mbps以上の速度は欲しいところ。特に3次元空間での対戦ゲームなどは通信速度が重要であり、遅延は致命的です。光回線を利用したほうがよいでしょう。
ライブ配信
上り 30Mbps~ 下り 30.0~100.0Mbps ping値 30ms以下
YouTubeなどでライブ配信をするなら、上り下りとも最低でも30.0Mbps以上の回線を利用しましょう。遅延なくスムーズに配信するにはping値は30ms以下、光回線かつ有線での接続をおすすめします。
個別で契約する際のおすすめの会社
@nifty光
月額プラン 4,378円 新規工事費 16,500円 通信速度 1Gbps
ドコモ光
月額プラン 4,400円 新規工事費 16,500円 通信速度 1Gbps
ソフトバンク光
月額プラン 4,180円 新規工事費 26,400円 通信速度 1Gbps
auひかり
月額プラン 4,180円~5,500円 工事費 33,000円 通信速度 1Gbps
NURO光
月額プラン 2,090円~2,750円 新規工事費 44,000円 通信速度 2Gbps
まとめ
インターネット無料物件と言っても物件により通信速度は様々です。
光回線方式を使用している物件の場合は特殊な作業をしない限り通信速度で困ることはないようです。
また、LAN方式やVDSL方式の場合は速度に注意が必要です。
快適なインターネット環境を整えるのであれば個別契約する事をおすすめします。