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【不動産投資】 不動産投資のローン審査の基準を詳しく解説します

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不動産投資は、株式投資やFXなどの投資と比べて圧倒的にリスクが低く、安定した収入を得られることが多く人気の投資の一つです。

ですが、不動産投資をはじめる為には、必ず不動産投資のローン審査をクリアしなければいけません。

この「ローン審査」こそがこれから不動産投資を始める方の最大のハードルであり、最も重要な項目のひとつになります。

今回は、不動産投資ローンについて解説していきます。

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、アパートローンなどとも呼ばれ、投資を目的とする不動産を購入するために必要な資金を調達するためのローンのことです。

資金がある方は、一括で購入する事も可能ですが、不動産投資物件を購入する方のほとんどがこの不動産投資ローンを利用し、物件を建築したり、購入したりしています。

一般の住宅ローンとは異なり、金利も住宅ローンよりも高くなることがほとんどです

不動産投資ローンをする際の審査項目

不動産投資ローンは、住宅ローンと比べて融資審査が厳しくなります。

本人の属性だけではなく、購入する物件の価格から、収益性や資産価値などを加味し総合的に判断されます。

では、不動産投資ローンの融資を受ける際の審査の項目を見てみましょう。

購入者の属性

不動産投資ローンの融資を受けるためにはまず本人の属性が重要になります。

当たり前ですが、無職やアルバイトなどでは購入はまず不可能です。

では、どのような属性であれば審査の入口にたてるのでしょう。

年収

金融宇機関によって異なりますが、年収700万円以上という基準が一般的です。

年収が700万円に満たない場合でも、他の条件を満たせば不動産投資ローンで融資を受けることは可能です。

勤務状況

勤務状況ですが、まず勤続年数が長いことが重要です。

最低でも3年以上勤務していることが最低条件になる金融機関も多くなります。

収入が多い場合でも、勤続年数が短い場合は収入が不安定であると判断されてしまう場合があり審査のマイナス要因になってしまいます。

また、勤めている企業の規模も判断材料になります。

中小企業よりも、上場企業など大企業に勤めている方がより審査が有利になります。

自営業や個人事業主なども審査は不利と言えるでしょう。

資産状況

購入希望者の資産状況も融資を受ける上で大きな判断材料になります。

預貯金の額や、株式などの有価証券などの資産、土地や不動産などを所有している場合などは審査はプラスに働くでしょう。

また、すでにアパートやマンションを所有している実績があり、問題なく経営出来ている場合も審査が有利に働きます。

購入者の属性の審査に関しては、記載の通りであり現在の借り入れ状況などを踏まえて総合的に判断されます。

また、借入金額に対して、自己資金を入れれる比率が多ければ審査は有利になります。

購入する物件の内容

いくら本人の属性がいいからといっても、購入する物件が融資に値しないと判断されれば金融機関は融資してくれません。

金融機関は、「収益還元法」と「積算法」の2つの観点から融資するのかを判断します。

下記で詳しく説明しますが、いくら収益率の高い物件であったとしても「積算評価」が低ければ融資がつきづらくなってしまいます。

逆に、「積算評価」が良くても、収益が上がらない建物はだめだという事です。

収益還元法とは

不動産がもつ収益性に着目した不動産価格の算出法です。

具体的には、不動産の将来的な収益の見込みを予測し、それを現在価値に還元することで、不動産の投資価値を算出します。

この手法では、将来的な家賃収入や売却益などの収益を見積もり、それに対するキャップレート(利回り)を適用することで、不動産の投資価値を算出します。

積算法とは

収益還元法が、物件が将来生み出すと予測される収益(家賃収入)をもとにして現在の価値を測る方法に対して、積算法は、物件の土地と建物を別々に分けて価値を測る方法です。

土地の価格+建物の価格を合わせた金額がいくらかになるかという事です。

建物価格の計算方法

建物の価格の計算は以下の通りです。

計算式

建物の積算価格 = 再調達価格 × 建物面積 × (残存年数÷ 法定耐用年数)

※法定耐用年数-建物築年数=残存年数となります。

「再調達価格」とは、建築物においてその建物の再現における評価基準となります。

例えば建築物が火事で全焼してしまった場合、全く同じものを建てた時その再現に必要になる費用が再調達価格となるのです。

また、法定耐用年数は、建物価値がなくなるまでの期間の事をいいます。

実際には耐用年数が過ぎてしまっても建物の価値はゼロにはなりませんが、積算法上では建物の価値はなくなってしまいます。

再調達価格耐用年数
鉄筋コンクリート20万円/㎡47年
重量鉄骨18万円/㎡34年
軽量鉄骨15万円/㎡※19年or27年
木造15万円22年
※軽量鉄骨の耐用年数は骨格材肉厚が3mm以下の場合は19年間、骨格材肉厚が3mm以上4mm未満の場合には27年間

土地価格の計算方法

土地の積算価格の計算方法は以下の通りです。

計算式

土地の積算価格 = 路線価 × 土地面積(㎡)

それぞれ出した、土地の現在価格は、国税庁が発表する「相続税路線価(以下「路線価」)」や、国土交通省が発表する「公示価格」を基に計算します。

これらは「路線価」・「公示価格」は毎年発表されるため、現在価格が求められるようになっています。

例えば、路線価を用いて計算する場合、路線価は1㎡あたりの価格が示されていますので、土地の現在価格は、路線価にその土地の面積を乗じて算出した金額となります。

以上をもとに計算した、建物と土地の価格を足した金額が積算金額となります。

路線価格や公示価格は全国地価マップから調べることが出来ます。

審査に通らないケース

不動産投資ローンの審査で落とされてしまう原因となる審査項目を解説していきます。

審査に落とされる理由には、「担保物件の価値」などのほか、「年収」や「雇用形態」「頭金・自己資金」など本人に関する審査項目があります。

年齢制限による場合

金融機関は融資する時点での返済能力を重視します。

30年のローンを組む場合には、30歳の方は60歳にて完済するのに対して、50歳の方であれば80歳まで返済することになります。

当然、お勤めの方であれば定年退職している年齢になりますので収入が減るのは確実です。

その為、同条件であれば若い方の方が長期のローンを組みやすいと言えます。

このように、金融機関が融資の審査を行う際は、融資年数に対し購入者の年齢は重要な評価対象になります。

物件の耐用年数

融資を受ける方の属性もそうですが物件の耐用年数も金融機関は重視しています。

不動産は、建物の構造ごとに法定耐用年数が定められています。

耐用年数
鉄筋コンクリート47年
重量鉄骨34年
軽量鉄骨※19年or27年
木造22年
※軽量鉄骨の耐用年数は骨格材肉厚が3mm以下の場合は19年間、骨格材肉厚が3mm以上4mm未満の場合には27年間

法定耐用年数は、上記記載の通り、RC造が47年、重量鉄骨が34年、軽量鉄骨は19年もしくは27年、木造物が22年です。

それぞれ法定耐用年数が過ぎると、建物の価値がなくなります。

金融機関にもよりけりですが、多くの金融機関は物件の耐用年数内でしかローンを組むことが出来ません。

例をあげるとすれば、築30年のRC物件であれば耐用年数の残存が17年となる為、ローンの期間を17年でしか組むことが出来ないということになります。

物件の構造と築年数にも注意が必要です。

購入者の属性

審査項目の項目でも説明しましたが、融資を受ける方の属性は非常に重要になります。

「収入が少ない」「勤続年数が短い」「雇用形態が不安定」など様々です。

一つの目安として、年収700万円以上で優良な会社に3年以上勤務している事があげられます。

また、借入可能な金額は年収の8倍程度が相場ではないでしょうか。

会社の代表や役員、医師や弁護士などは会社員でない場合がありますがこういった職業の方は通りやすいでしょう。

自己資金が少ない

不動産投資ローンを組む場合には、借入金の20%ほどの自己資金が必要になる場合があります。

住宅ローンなどでは、不動産会社に支払う仲介手数料や不動産登録税なども融資でおりますが、投資物件を購入する場合は、諸経費は自己資金で支払う必要があります。

自己資金をいくら入れるのかは金融機関や購入者属性にもより異なってきます。

担保物件の価値が低い

不動産投資ローンの返済が不能となった場合などに備えて、金融機関は不動産に抵当権を設定します。

ローンが返せなくなると、この抵当権を実行することにより金融機関が不動産を差し押さえて不動産の売却代金から債権を回収することになります。

そのため、その不動産が融資した金額に近い金額で売却できるかどうかなどの評価を行います。

担保価値が高ければ高いほど債権回収がしやすくなるため、審査では有利になると言えます。

投資物件の担保価値は、建物の築年やコンディション、立地、管理状況や周辺の賃貸需要などに基づく収益性などによって評価されますが、人口減少が続くエリアは土地評価額が低下する傾向にあり、金融機関の担保評価も低くなります。

既存の借入れが多い

ローンの契約先が多いほど借入総額が増えるため、年収が高くても審査に通らない恐れがあります。

不動産投資ローンの返済は長期に渡るため、 無理なく返せる事が重要です。

返済負担が高くなると、滞納の確率が高いと見なされ、審査を通過することが難しくなります。

不動産投資ローンが通らなかった場合

投資物件自体を見直す

購入者の属性に問題がないのに、融資がおりない場合には物件自体に問題がある場合があります。

「耐用年数」があまり残っていない場合や、購入価格に対して「積算価格」が少なすぎる場合など物件を再検討する必要があります。

自己資金を用意する

一般的に投資物件を購入する場合は、ある程度の自己資金を投入しなければいけません。

属性がかなり良い方や、すでに不動産を複数所有していて金融機関との関係が深い方などを除くと購入価格の2割は自己資金を用意しておく必要があります。

自己資金を投入することで、返済比率を低くすることができ、ローン審査に通りやすくなります。

資金がなかったり、通常よりも少なめだった場合、お金を貯められない計画性がない人と判断されてしまうことにもなります。

共同担保を差し入れる

自宅や所有の不動産を共同担保にすることで融資が可能になる場合もあります。

自己資金があまり用意出来ない場合は、金融機関に共同担保での融資を相談してみるのも一つの方法です。

投資実績を積む

不動産投資ローンは、高額な物件ほど融資の審査は厳しくなります。

いきなり大きなマンションなどは購入せず、まずは区分所有のマンションや戸数の少ないアパートなど比較的安いものから購入していくようにしていくことで大型の融資が受けれるようになります。

注意

ワンルームマンション投資のような1,000万円を超えるような物件の購入は避けるべきです。
まずは、500万円程度のもので10%前後の利回りが出る物件を購入しましょう。
区分所有のマンションを購入する場合には、毎月かかる管理費や修繕積立金の費用もしっかりと計算する必要があります。

まとめ

不動産投資をはじめる上で、融資は欠かせないものです。

①属性が良い事
②物件が良い事
③自己資金が用意出来る事

この3つをクリアする事が出来れば融資はつきやすいと言えるでしょう。

現在の資金力や資産などにより融資出来る額はかわってきます。

まずは、手頃な価格の物件からはじめると融資がつきやすくなるでしょう。

  • この記事を書いた人

なべやん

不動産会社勤務 今年で20年目です。
・宅地建物取引士
現在に至るまで店舗責任者として5,000件以上の賃貸物件の入居者を斡旋に携わる。 現在は、主に投資用物件の売買を行っています。

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